2018.03.25 Sunday
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「おらの親さまは、おらの躯の中においでになります。左様……如来さまなのでござります。おらは、その如来さま、親さまのお力で、こうして、なげえ旅をつづけても病気一つせずに、しあわせにくらせるのでござります。」
「致虚極、守靜篤。萬物並作、吾以觀其復。
夫物芸芸、各復歸其根。歸根曰靜。
是謂復命。復命曰常。知常曰明。不知常、妄作凶。
知常容。容乃公。公乃王。王乃天。
天乃道。道乃久。沒身不殆。」
道徳経16章
「あの頃の私たちは
若くて幼くて
非力でものを知らず
まだ甘えたくて
でも子ども扱いをされるのは嫌で
理想と現実のギャップに苦しみ
現実を見つめる勇気を持たず
世界を恐がり
しかし傲慢で
誰かに圧倒的に肯定してもらいたいのに
自分で自分を認めることが出来ず
いつも苦しくて
自分の居場所が見つけられなくて
そうした中で、すがるように読んだ本たちによって
束の間現実を忘れさせてもらったり
ただ、紙に印刷してあるそれだけのものに
人生を救われるような瞬間が何度もあったのだと
大げさでなくそう思うのです
たとえばそれが直接的には生きるヒントにはならないかもしれない
娯楽性の高い作品だったとしても
読んでちょっと笑えたり、面白い発想に驚いたり、
知らない世界をのぞき見たりすることで
この世は生きるに値する
と感じられることがきっと本当に大きなことだったのだと
あの頃の自分を振り返ってみて思います」
「歴史の脚注の奥に埋もれてしまった人々。傑出した才能を持ちながら致命的な失敗を犯し、目もくらむような知の高みと名声の頂点へと昇りつめた後に破滅と嘲笑のただ中へ、あるいはまったき忘却の淵へと転げ落ちた人々。そんな忘れ去られた偉人たちに、僕はずっと惹かれつづけてきた。」
評価:
ブルース チャトウィン 白水社 ¥ 1,512 (2014-09-04) |