2018.03.25 Sunday
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永劫ともいえる時間の中で”それ”は、ただ世界をまわり知識を蓄えていった。”それ”はより良いものを求めて、強く賢いものへと棲み替えていく。それはたゆみのない<前進>だった。食べられることで、食べたものに宿り、食べたものがさらに他のものに食べられる度に宿主を替えてゆく、食べたものを内面から”より良いもの”へと追い立てる、”それ”としか呼ばれていない小さい生き物が登場するのです。小さい生き物の正体については全く明かされていないため、ブラッドベリの「ぼくの地下室へおいで」に登場する小さなインベーダーのように読むと、かなりチクワで不気味ではないでしょうか。
Two nations between whom there is no intercourse and no sympathy; who are ignorant of each other's habits, thoughts and feelings, as if they were dwellers in different zones or inhabitants of different planets; who are formed by different breeding, are fed by different food, are ordered by different manners, and are not governed by the same laws ...The rich and the poor.
(Benjamin Disraeli, Sybil or The Two Nations)
(二つの国民、その間には、交流も共感もなく、異なる地帯、あるいは異なる星に暮らしているかのように、互いの習慣や思想、感情を知らず、異なる育ち方をし、異なる食べ物を食べ、異なるしきたりを持ち、異なる法のもとにある・・・富める者と貧しき者。
(『シビルあるいは二つの国民』ベンジャミン・ディズレーリ))
「一人のエヴァ・スミスは、この世を去りました。―――しかし、何千万、何百万という無数のエヴァ・スミスや、ジョン・スミスのような男女が、わたしたちのもとに残されています。かれらの生活、かれらの希望や不安、かれらの苦しみや幸福になるチャンスは、すべて、わたしたちの生活や、わたしたちが考えたり、言ったり、おこなったりすることと絡みあっているのです。わたしたちは、一人で生きているのではありません。わたしたちは、共同体の一員なのです。わたしたちは、おたがいに対して責任があるのです。
そして、みなさんに申し上げますが、もしも、人間がその教訓を学ぼうとしないなら、かれらは、火に焼かれ、血を流し、苦しみもだえながら、それを学ぶときがくるでしょう。おやすみなさい。」
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美しい服、それは語るべき事を、語るべき言葉で、語るべくして語る女優だ。
新しい服を着るときは、いつも新しく生まれるものだ。生むために身ごもっているのだ。この産みの苦しみ、生みの喜びを生きなければならない。驚きにまばゆく照らされ、体の奥底から生きること・・・・。
作品とは、あなたたちが作品という言葉で考えているようなものではないのだ。そうではない、違うのだ。そんな風に作られるのではない。はじまりがある。ひとつの点がある。その点が伸び、展開して線になる。あるいは色、それとも形になる。この線、それとも色、それとも形を、揺さぶってやらねばならない。揺さぶり、折りたたみ、やさしく撫でてやらねばならない。それが、創り出すものの考えていることだ。テーマと結びあって、ひとつになるために。
人口の技巧。それは作りものではない。それは一種の創造だ。この上ない高さにまで高められた時のおのれがきらめき出させる光。その反射。
作る。壊す。形をくずす。形を作り直す。創り出す。―――作り上げる。築く。創出する。そして壊す。置くべき場所に置く―――有る瞬間を、ある服を、ひとつの頁を、一本の線を。前。後。ふたたび出会うこと―――服のはじまりと。最初ふれてくる部分、やさしく撫でてくれる部分と。作り出す者。演ずる者。おのれを見つめるもの、そしてあとまで残るもの。―――それが仕事だ。
私はあらゆるものを使う。直感も、善意も、悪意も。私はあらゆるものを持ってくる。疑いも、幸福も、快楽も、苦痛も、何もかも。
私が今創り出す仕事をしているのは、それはただ、私が、いろいろなものをまとめあげること、混ぜ合わせること、乱してやること、真実を引き裂くことが好きだったからにほかならない。それ以外の理由はない。
女は自分のスタイルをきっちりとらえねばならない。そして自分のさまざまな役割は、とらえて限定したりしないこと―――。
女は制度だ。そして制度でよいのは、そのそとへ出ることができることだ。
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