2018.03.25 Sunday
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「彼女たちが汚辱のうちに生活を送っているのを見たのが、ピュグマリオンだった。
その結果、彼は、
本来女性の心に与えられている数多くの欠陥にうんざりして、
妻をめとることはなしに、独身生活を守っていた。
が、そうこうするうちに、持ち前のすばらしい腕前によって、
真っ白な象牙を刻み、生身の女ではありようもないほどの容姿をあたえたまではよかったが、
みずからその作品に恋を覚えたのだ。」
オウィディウス 変身物語(仲村善也訳)
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これで恋愛論になってんのかよ?
まァ、いいけど。
実に、恋愛をして行くという作業は、恋愛っていう一人よがりの妄想を消し去って行く作業でしかないのね。
僕が言ってることは、「恋愛なんて、幻想の最たるもんだけど、でも、それを求めざるをえない人間の気持ちだけは本物だ」って、そういうことね。それを本物だと思ってしまった以上、幻想という膨大なるブヨブヨとした膜に覆われちゃってる”現実”っていうものの中から、自分の求める現実っていうのを作って行かなくちゃいけないのね。
愛されたいんだったら、自分でその自分を愛さなくちゃいけないんだよ。それをしないでいきなり他人を引っ張り込むから、恋愛っていうのは、永遠に不毛なんだよ。
あれやこれやと思い巡らしてみたが、何も事は運ぶわけではなかった。ともかくも生きることだと己に言い聞かせた。確かなことはこの小生瀬での蜂起を最後に保内衆はすべて滅んだということだけだった。
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