2018.03.25 Sunday
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「あんたと俺とで、その二十世紀を見つけに行くんだよ。存在しない二十世紀、人間がその存在を信じる必要があるという意味以外には存在しない場所。かつて人間が神を信じていたように、信じる必要のある場所。俺たちでそこに行くんだよ。」
すべてのものは「母なる大地」の夢によって存在し、星の一つひとつの夢がその星で暮らす人々になると歌う。この世界で起きるすべてのことは幻想であり、夢の中の夢だ。
人間の理性にはどうもなにかが決定的に欠けているらしいのである。「自然の理法」のはすんなり理解できていることが、人間の理性にはどうしたってわからないようなのだ。もちろん、理性は役に立たないと言っているわけではない。ただ、理性はどうも完璧なものじゃないらしいので、ぼくたちには見えないところで行われている地球の営みに、もっと耳をそばだてていないといけない、と言いたいだけだ。
いまはもう昔―――、
『ミツバチのささやき』という映画を観たとき、主人公を演じるアナ・トレント嬢が手にしている鞄が気になった。
気になったというか、あるいはもっと単純に「気に入った」というべきか―――。
その鞄をいつか手に入れたいと夢見るうち、誰かに奪い取られたかのようにごっそりと時間が流れた。