2018.03.25 Sunday
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「この世界はなんて美しいんだろうって思ってたのよ、イーベン。美しさのほかには何の役にも立たないのよ―――あたしたちが今生きていようと、ずっと昔に生きていようと」
ぼくたちはあの美しさを共有していた。決してそれを失うことはない。
どうしてぼくらが出会ったのか、いったいどうしてそんなことが起こったのか、ぼくにはわからなかった。今でもわからない。わかるのは、ぼくらはいっしょにいるように定められていたということだけだ。彼女の人生の糸がぼくの糸に織りこまれていて、時間や世界でさえふたりを完全に引き離すことはできなかった。そのときには。いや、永遠に。
なんと愚かなのだろう。しかしわれわれは愚かに創られたのだ―――無知で単純に。そしてその無知のみが、謎だらけのこの地上で楽に生きることを可能にしているのである。
「愛は決して消えたりしないわ。それはあなたについてきて、あなたを見つけ出すのよ」
わたしの一生は、美しい童話です。たいそうゆたかで幸福な童話です。
人生は、太陽の光に照らされて、明るくわたしのまえにひらけていました。
なさけぶかい神様がおいでになって、なにごともいちばんよくなるようにみちびいてくださるものだ
私は春の野に咲くスミレはただスミレらしく咲いているだけでいいと思っている。咲くことがどんなによいことであろうとなかろうと、それはスミレのあずかり知らないことだ。咲いているのといないのとではおのずから違うというだけのことである。